概要

コンクリート打設時に発生するセメントの水和反応は、内部温度を上昇させ、ひび割れや構造的な問題を引き起こす原因となります。TVCアクティブクーリングは、この高い水和温度を抑制するために、ペルチェモジュール(熱電素子)高熱伝導アルミベイパーチャンバー(ALVC)を組み合わせ、効率的にコンクリート内部の熱対策ソリューションです。


主な特長

    1. ひび割れリスク低減
      コア温度のピークを下げることで、温度差による応力を抑え、ひび割れ発生を最小限にとどめます。

    2. 効率的なアクティブ冷却
      ペルチェモジュールによる能動的な冷却により、コンクリート内部を周囲温度より低温にまで抑えることが可能です。

    3. 軽量なアルミベイパーチャンバー
      ALVCは高い熱伝導率を持ち、軽量・コンパクトな設計が可能なため、施工現場での取扱いも容易です。

    4. 水使用量の削減
      従来の大量水循環方式とは異なり、TVCアクティブクーリングでは水をほぼ使用せずに効果的な冷却を行えます。

    5. 柔軟な拡張性
      熱電モジュールやALVCを増やす・減らすことで、大規模から小規模の現場まで対応可能。必要な冷却性能に合わせて設計できます。


仕組み(簡易説明)

  1. アルミベイパーチャンバー(ALVC)
    コンクリート内部に配置し、コンクリートの内部熱を素早く冷却します。

  2. ペルチェモジュール(熱電素子)
    外部から電力を供給すると、ペルチェ効果により冷却面を低温に保ち、ALVCの経由でコンクリート内部に低温を伝送します。

  3. 放熱(ヒートシンク/ファン)
    ペルチェモジュールを作動時の熱はヒートシンクやファンで放熱します。

  4. 運転モードの柔軟性
    軽量冷却しか必要ない場合はペルチェをオフにして受動的(パッシブ)運転を行うこともでき、エネルギーを節約します。


Simulation (Preliminary stage)


デモキット評価試験

  • お湯での評価試験

    • 条件: 約1リットルの湯(66.2°C)を、ペルチェモジュール30W入力で冷却
    • 結果: 77分で32.1°Cまで低下し、合計34.1°Cの温度差を実現
    • 冷却速度: 約0.443°C/分
    • アクティブ vs. パッシブ: ペルチェモジュールをオフにしたパッシブ運転と比べ、約14%効率が向上

    これらの結果から、TVCアクティブクーリングが高温状況でも大幅に熱を取り除き、コンクリート打設時の水和熱を効果的に制御できることが示されました。


技術仕様(例)

項目 内容
消費電力 ペルチェモジュール1基あたり ~30W (ご要望により調整が可能)
材質 アルミベイパーチャンバー
冷却モード パッシブ(OFF)またはアクティブ(ON)
想定用途 大規模コンクリート打設時の熱対策

適用分野

  • 大規模橋梁・ダム・トンネル基礎
  • 超厚断面を要するビル建設
  • 水不足地域や大規模施設での省水型冷却
  • 高い温度管理が求められるプレキャスト工場など

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TVCアクティブクーリングがもたらすコンクリート温度管理の革新を、ぜひご体験ください。大規模打設や高度な温度管理を要するプロジェクトなど、個別の要件に合わせたカスタマイズが可能です。

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