概要
コンクリート打設時に発生するセメントの水和反応は、内部温度を上昇させ、ひび割れや構造的な問題を引き起こす原因となります。TVCアクティブクーリングは、この高い水和温度を抑制するために、ペルチェモジュール(熱電素子)と高熱伝導アルミベイパーチャンバー(ALVC)を組み合わせ、効率的にコンクリート内部の熱対策ソリューションです。
主な特長
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ひび割れリスク低減
コア温度のピークを下げることで、温度差による応力を抑え、ひび割れ発生を最小限にとどめます。 -
効率的なアクティブ冷却
ペルチェモジュールによる能動的な冷却により、コンクリート内部を周囲温度より低温にまで抑えることが可能です。 -
軽量なアルミベイパーチャンバー
ALVCは高い熱伝導率を持ち、軽量・コンパクトな設計が可能なため、施工現場での取扱いも容易です。 -
水使用量の削減
従来の大量水循環方式とは異なり、TVCアクティブクーリングでは水をほぼ使用せずに効果的な冷却を行えます。 -
柔軟な拡張性
熱電モジュールやALVCを増やす・減らすことで、大規模から小規模の現場まで対応可能。必要な冷却性能に合わせて設計できます。
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仕組み(簡易説明)
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アルミベイパーチャンバー(ALVC)
コンクリート内部に配置し、コンクリートの内部熱を素早く冷却します。 -
ペルチェモジュール(熱電素子)
外部から電力を供給すると、ペルチェ効果により冷却面を低温に保ち、ALVCの経由でコンクリート内部に低温を伝送します。 -
放熱(ヒートシンク/ファン)
ペルチェモジュールを作動時の熱はヒートシンクやファンで放熱します。 -
運転モードの柔軟性
軽量冷却しか必要ない場合はペルチェをオフにして受動的(パッシブ)運転を行うこともでき、エネルギーを節約します。
Simulation (Preliminary stage)
デモキット評価試験
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お湯での評価試験
- 条件: 約1リットルの湯(66.2°C)を、ペルチェモジュール30W入力で冷却
- 結果: 77分で32.1°Cまで低下し、合計34.1°Cの温度差を実現
- 冷却速度: 約0.443°C/分
- アクティブ vs. パッシブ: ペルチェモジュールをオフにしたパッシブ運転と比べ、約14%効率が向上
これらの結果から、TVCアクティブクーリングが高温状況でも大幅に熱を取り除き、コンクリート打設時の水和熱を効果的に制御できることが示されました。
技術仕様(例)
項目 | 内容 |
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消費電力 | ペルチェモジュール1基あたり ~30W (ご要望により調整が可能) |
材質 | アルミベイパーチャンバー |
冷却モード | パッシブ(OFF)またはアクティブ(ON) |
想定用途 | 大規模コンクリート打設時の熱対策 |
適用分野
- 大規模橋梁・ダム・トンネル基礎
- 超厚断面を要するビル建設
- 水不足地域や大規模施設での省水型冷却
- 高い温度管理が求められるプレキャスト工場など
お問い合わせ
TVCアクティブクーリングがもたらすコンクリート温度管理の革新を、ぜひご体験ください。大規模打設や高度な温度管理を要するプロジェクトなど、個別の要件に合わせたカスタマイズが可能です。
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