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アルミ製ベイパーチャンバー(空冷)
一般的なべイパーチャンバー方式は、アルコール、アセトン等の冷却液が使用されるケースが多いが、当社では毛細管現象の内部に冷媒を充填します。
冷媒はアルコール、アセトンより低い沸点及び高圧力のメリットの利用で、加熱側と放熱側の温度差から生じた圧力差が自ら熱循環として繰り返すため、熱移動と熱拡散が迅速になり、素早い熱伝導や温度均一性に優れる特徴を持ちます。
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アルミ板とアルミベーパーチャンバー熱拡散の比較データ
アルミ板
アルミベイパーチャンバー
アルミ板 | アルミベイパーチャンバー | |
---|---|---|
サイズ | 幅80mm×長さ80mm×厚さ5mm | |
熱源パワー | 17.29W | 17.40W |
熱源サイズ | 10mm×10mm | |
ΔT(表面上昇温度) | 5.6 | 1.0 |
熱抵抗 |
0.32 |
0.11 |
市場でよく見られるベイパーチャンバー vs LEA製ベーパーチャンバー
LEA製は、「冷媒の運用で熱移動と熱拡散が迅速になり、放熱効果がより高くなる」という特長があります。
【市販品】
複数単独溝の機構設計。アルコール、アセトン等の冷却液の使用で、熱移動が一方通行になります。
【LEA製】
繋がる溝の機構設計。R134a等の冷媒の使用で、熱移動、拡散が迅速になります。
最も斬新的な放熱対策、アルミ製ベイパーチャンバープレート式(AVP)
AVPは、様々な分野に幅広い用途に対応しています。
【対応分野】
- IGBT
- EV/HEVバッテリー温度制御
- 半導体デバイス
カスタマイズも可能です。お問い合わせはこちらから。
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寸法(mm) | 長さ:カスタマイズ(mm) |
---|---|
42(W)×5(T) | 150/200/250/300 |
67(W)×3(T) | 150/200/250/300 |
72(W)×5(T) | 150/200/250/300 |
125(W)×5(T) | 300/450/600/1000 |
182(W)×10(T) | 300/450/600/1000 |
車載電池冷却用平板型アルミニウムHP(ベイパーチャンバー)の性能試験。早稲田大学との研究連携試験。
【傾斜角度変化による影響】
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実験装置は左の図のようになり、実験条件として、作動流体はR134a、幅・厚さ・長さはそれぞれ67、5、300mmとなります。0Wから100Wの熱源に適用したときのベイパーチャンバーの熱抵抗を測定するために、角度θとφを使用してテストを実施しました。
熱流束(W/m2) | 0〜7,463(入熱量100W) |
---|---|
角度θ(deg.) | 0〜45 |
角度Φ(deg.) | 0〜45 |
試験結果
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入熱量10~20Wでは、自励振動が発生せず、熱抵抗が高い値となった。また、通常のサーモサイフォン式HPとして稼動したため、角度θ、φともに傾斜角度が大きくなるほど熱抵抗は小さくなった。
入熱量30~100Wでは,自励振動が発生し熱抵抗が低下した。入熱量10~100Wにおいてドライアウトは観測されなかった。
アルミ製ベイパーチャンバーヒートシンク
アルミ製冷媒式ベイパーチャンバーに放熱面積を増加するため、フィン構造を持つヒートシンクを加え、放熱器にします。
熱を熱源からベイパーチャンバーを迅速吸収し、フィン側の伝われ、放熱します。
アルミベーパーチャンバーとアルミヒートシンクを組み合わせ、ロウ付けしたアルミベーパーチャンバーヒートシンクの放熱効果が高まります。押出式ヒートシンクと比較する際、ベイパーチャンバーの内部に冷媒を充填し、熱伝導率が高くなり、放熱効果が優れています。
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アルミベーパーチャンバーヒートシンクのメリット
- 軽量化、小型化
- 形状の柔軟性(要望に応じた様々な形状のカスタマイズの設計が可能)
- 冷媒の作動流体の使用で、熱伝導率30%アップ(押出ヒートシンクと比較)
- 底板と放熱部分(フィン)を1回のロウ付け工程プロセスで結合し、後加工工程が不要
- 100%アルミ合金製、100%リサイクル可能(ECOフレンドリー)
【使用例】
- 半導体
- IGBTインバーター
- LED照明
(AVC)ハイパワーLED照明用
(AVU)IGBTインバータ、CPU用等
アルミロウ付方式でアルミフィンとベーパーチャンバーの組み合わせで、タワー型ベーパーチャンバー(AVC)とU型ベーパーチャンバー(AVU)は、省エネで高い効率の熱対策です。
(AVC)は、LED照明の分野に優れたサーマルソリューションです。(AVU)は、高電IGBTインバータとCPU用の分野に優れたサーマルソリューションです。
カスタマイズも可能です。お問い合わせはこちらから。
TVC温度制御システム
アルミ製冷媒式ベイパーチャンバーとペルチェモジュールの組み合わせで、ペルチェモジュールの効率を最大化します。また、ペルチェモジュールが冷却・加熱を両用特徴の利用で、高いコスパの一体式精密温度制御システムの応用を実現します。
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弊社で革新的な製品、TVC(Thermoelectric Vapor Chamber)温度制御装置も開発いたしました。TVCはベーパーチャンバーと熱電素子(ペルチェモジュール)結合した、冷却/加熱性能が一層高まった温度制御装置です。
こちらの2つの放熱技術を組み合わせて、更に幅広いアプリケーションに高性能温度制御装置になります。
【使用例】
- 電気自動車のリチウムイオンバッテリーパック
- 高電圧送電トンネル温度制御システム
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ベーパーチャンバーと熱電技術の組み合わせにより、TVCシステムは多様な分野で放熱対策に応じます。
カスタマイズも可能です。お問い合わせはこちらから。